種 別:軽量鉄骨造 工場・倉庫の店舗・オフィスリノベーション
エ リ ア:群馬県高崎市稲荷台町(高崎市上小鳥町より移転)
延床面積:約150坪・約495㎡(店舗 約60坪/オフィス・商談室 約40坪/倉庫 約50坪)
用途変更:なし(既存の用途のまま)
工事期間:2025年10月〜2026年4月(約7か月)
工事内容:外壁カバー工法(ガルバリウム鋼板)/庇の新設(庇屋根・雨樋は銅)/正面玄関の解体・新設/内部間仕切りの新設/壁への断熱材充填/照明設備の全面更新/造作家具製作
リノベ費用:非公開
オープン:2026年4月23日
「工場に、断熱材はほとんど入っていなかった。」
高崎市上小鳥町で営業していたインテリアショップ「T’s Garage Furniture」は、店舗・オフィス・倉庫をひとつにまとめるため、高崎市稲荷台町へ移転した。
移転先に選んだのは、約150坪の軽量鉄骨造の建物。以前は工場として使われており、内部に断熱材はほとんど入っていなかった。
広さは十分にある。ただ、家具を展示し、お客様を迎え、スタッフが一日を過ごす場所として使うためには、建物全体を見直す必要があった。
店舗約60坪、オフィス・商談室約40坪、倉庫約50坪。この三つをひとつの建物のなかに納めることが、今回の計画の出発点になっている。
工事は2025年10月に着工し、2026年4月に完了。同年4月23日にオープンした。
店舗が手狭になっていった、これまでの6年半
T’s Garage Furnitureがオープンしたのは、2019年9月。上小鳥町にあった約50坪のRC造を自分たちで改修した店だった。
その間に扱う家具や照明、ラグ、雑貨が増えていった。店舗の面積だけでは収まらなくなり、在庫を保管する倉庫も、建築の相談をゆっくり受けられる場所も必要になっていた。
外壁は黒いガルバリウム鋼板、正面には銅の庇を
外壁は、既存の外壁を活かしたカバー工法とし、黒いガルバリウム鋼板で仕上げている。
正面には、日本建築で使われてきた庇を設けた。庇の屋根と雨樋には銅を採用している。
施工直後の銅は驚くほど明るく、黒い外壁のなかで強い存在感を放っていた。それが数か月かけて少しずつ落ち着き、今では建物に馴染んでいる。完成した瞬間だけでなく、時間とともに表情が変わっていくこと。それも銅を選んだ理由のひとつだった。
正面玄関は一度解体し、TGFらしい木製の扉と、大きなガラス面を新設した。
工場だったこの建物は、外に対して閉じていた。店舗としては、道路から店内の様子や灯りが伝わることを大切にしている。
断熱材のなかった工場を、店舗・オフィスとして使えるように
内部には新たに間仕切りを設け、壁に断熱材を充填した。
断熱材の入っていなかった工場を、人が長時間過ごす店舗とオフィスとして使う。そのために必要な工事だった。外壁のカバー工法と合わせて、工場だった頃とは室内の環境が変わっている。
仕上がりだけでなく、その裏側にある性能や使い勝手まで整えること。それが今回のリノベーションの前提だった。
照明は、実際に見て選べる状態に
照明もすべて見直した。天井にはダクトレールを設置し、店舗の照明として使いながら、販売しているペンダントライトを自由に吊り替えられるようにしている。
照明は、形だけで選ぶことが難しい。点灯したときの明るさ、光の広がり方、家具や床に落ちる影。それらを実際に見てから選べる状態にしておきたかった。
家具を並べるのではなく、暮らしを体感できる配置に
店内の一部は床を上げ、キッチン、リビング、ラグの展示スペースとして構成している。
家具を商品として一列に並べるのではなく、実際に使う場面が思い浮かぶように配置した。
ソファに座り、テーブルとの距離を確かめる。ラグと家具、照明の組み合わせを見る。「ただの家具屋ではなく、暮らしを体感できるショールーム」という考えを、店内のつくり方に反映している。
壁・床・造作家具に込めたTGFらしさ
壁にはラワン合板を張り、床には海外のヴィンテージホテルを思わせるブルー系のカーペットタイルを採用した。
ラワンとチークの温かな色に、深いブルーを組み合わせる。年代も素材も異なる家具を、まとめて受け止められる背景をつくっている。
新設した間仕切り壁の一面は、有孔ボードで仕上げた。
ピクチャーフレームや時計、雑貨などを自由に掛けられ、その下には在庫を収納する造作家具を設けている。展示する場所と収納する場所を分けず、ひとつの壁のなかにまとめた。
店舗の顔となるレジカウンターも、TGFオリジナルで製作したもの。キッチンスペースにはクリナップ「CENTRO」を設置し、TGFオリジナルのカップボードを組み合わせている。レジカウンター、収納、カップボードなどの造作家具は、TGFのコンセプトカラーであるチーク色に統一した。
上小鳥町の1号店、そしてこれから
上小鳥町の1号店は、2025年1月に売却した。
その建物は現在、美容室として使われている。売却後の改修工事を手がけたのも、ティーズオールワークスだった。自分たちが6年近く使った空間を、次の使い手のために設計し直し、施工した。今は「FORT hair design」が営業している。
建物は、使い手が変われば役割も変わる。壊さずに次へ渡していくことができる。上小鳥町と稲荷台町、二棟の建物が、それぞれ違うかたちでそれを示している。
家具、照明、ラグ、キッチン、造作収納。それぞれを単体で展示するのではなく、ひとつの空間として見て、触れて、使い方を想像できる場所を目指した。
この建物は、T’s Garage Furnitureの店舗であると同時に、断熱材の入っていなかった工場を店舗・オフィス・倉庫へと再生したリノベーションの施工事例でもある。
使用した設備・仕様(表)
| アイテム・仕様 | 詳細・メーカー |
|---|---|
| 外壁 | ガルバリウム鋼板・カバー工法(ブラック) |
| 庇 | 新設(日本建築の意匠) |
| 庇屋根・雨樋 | 銅 |
| 断熱 | 壁に断熱材を充填 |
| 正面玄関 | 解体・新設(TGFオリジナル木製扉+大判ガラス) |
| 壁面 | ラワン合板 |
| 床材 | ブルー系カーペットタイル |
| 照明計画 | ダクトレール(販売照明の吊り替え対応) |
| レジカウンター | TGFオリジナル造作(チーク色) |
| 収納・ディスプレイ | 有孔ボード壁面+TGFオリジナル造作収納(チーク色) |
| キッチン | クリナップ CENTRO |
| カップボード | TGFオリジナル造作(チーク色) |
| 展示構成 | キッチン/リビング/ラグの各スペースを床上げ |
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この事例について、詳しく聞きたい方へ
「工場や倉庫を店舗として活用したい」
「店舗とオフィス、倉庫をひとつにまとめたい」
「断熱されていない建物を改修したい」
まだ具体的な計画が決まっていない段階でも構いません。
この建物自体が、ティーズオールワークスの店舗・オフィスリノベーションの施工事例です。家具をご覧いただきながら、改修した建物も実際にご体感いただけます。