2026年5月30日 - JOURNAL
「リノベしたのに、冬が寒い。」
これは、断熱に手をつけなかった工事で、よく起きることです。見た目が新しくなっても、断熱が昔のままなら、毎年の冬と夏に後悔が残ります。
群馬は、夏の猛暑と冬の底冷えで寒暖差の大きい土地です。だからこそ断熱リノベの価値は、ほかの地域以上に大きいと考えています。ここでは、ティーズが実際に手がけている断熱工法の種類・費用・効果を、正直にお伝えします。
築20〜40年の住宅の多くは、いまの断熱基準を満たしていません。理由は二つあります。
ひとつは、当時の基準が今より低かったこと。1980年に省エネ基準ができる前の住宅は、断熱材そのものが入っていないことがほとんどです。
もうひとつは、断熱材の経年劣化です。グラスウールなどは、施工が不十分だと湿気を吸って自重で下がり、壁の中に「隙間=断熱欠損」が生まれます。こうなると、断熱材が入っていても、ほとんど機能しません。
解体して初めて「断熱材が入っていない」「ほぼ効いていなかった」とわかる――ティーズの現場でも、珍しくない光景です。断熱は、見た目より中身の話だからです。
断熱リノベには、大きく三つの代表的な工法があります。物件の状態、予算、そして住みながら工事するかどうかで、選び方は変わります。
工法の目安:
・① 内側セルロースファイバー断熱:150㎡程度で100万〜150万円、工期2〜6週間
・② 外壁付加断熱(カバー工法):150㎡あたり200万〜300万円、工期4〜6週間
・③ 内窓(インナーサッシ)設置:1箇所8万〜20万円、工期1箇所1〜2時間
ティーズは最初から工法を決めません。物件の状態・予算・住み方によって、内窓だけで十分なこともあれば、外壁の付加断熱まで踏み込むべきこともあります。その家にいちばん合う組み合わせを選ぶことが、私たちの役割です。
壁を大きく壊さず、内側から高性能断熱材「セルロースファイバー」を吹き込む工法です。新聞紙などを原料とした天然素材で、隙間なく充填できるため、断熱と同時に気密も上がります。吸湿・放湿の調湿機能と防音効果もあり、断熱以外の住み心地も整います。内壁に30mmの空洞をつくって吹き込むぶん部屋はわずかに狭くなりますが、30mmの差は、暮らしの体感ではほとんどわかりません。
既存の外壁を壊さず、その上から断熱材と新しい外壁材を重ねる工法です。家ごと魔法瓶で包む、というイメージが近いかもしれません。内部に手をつけないので、住みながら工事を進められます。廃材が少なくコストを抑えやすく、外観のリフレッシュも同時にかないます。
既存の窓の内側に、もう一枚、樹脂製の窓を入れる工法です。断熱改修のなかで、最も費用対効果が高い手段のひとつです。冬に逃げる熱の約半分は窓からと言われ、内窓を入れるだけで、窓際の冷え込みが大きく変わります。結露が減り、外の音も静かになります。国の住宅省エネ補助(みらいエコ住宅2026事業など)の対象になりやすいのも利点です。
断熱の性能を比べるときに使う指標が「UA値(外皮平均熱貫流率)」です。数値が小さいほど、熱が逃げにくく省エネということです。
・UA値0.87以下:現行の省エネ基準(2025年以降義務化)。最低限ここは満たしておきたい水準
・UA値0.60以下:ZEH(ゼロエネルギーハウス)の基準。光熱費が目に見えて軽くなってくる
・UA値0.40以下:高性能住宅として認知される水準。家じゅうの温度差が小さく、底冷えしにくい
どの水準を目指すかは、予算と物件の状態で変わります。ただ、数字を上げること自体が目的ではありません。素足で過ごせる冬の床、結露で曇らない窓――その先にある暮らしのために、断熱があります。
断熱改修は、国や自治体の補助金が使えるケースが多い工事です。
・みらいエコ住宅2026事業(国の住宅省エネ補助):内窓・断熱材・高効率設備が対象。子育て世帯は補助が手厚い年度が多い
・長期優良住宅化リフォーム推進事業:大規模な断熱改修と相性が良く、補助額も大きい
・群馬県・高崎市の独自補助制度:年度ごとに内容が変わるため、相談時に最新情報を確認します
補助金の多くは、着工前の申請が条件です。資金計画の段階から組み込んでおくことが大切です。
「どうせリノベするなら、断熱もちゃんとやりたい。でも費用が心配」――よくいただくお声です。断熱工事は、全部を一度にやる必要はありません。物件の状態・予算・優先順位を確かめながら、「今やるべきこと」と「後でできること」を一緒に整理します。
冬の朝、暖房をつけて待つ時間が短くなる。窓際の一脚が、いちばん気持ちのいい特等席になる。断熱は、そういう暮らしのための工事です。
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